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vol.739 お福分け

先日、年末のご挨拶に伺ったお客さまとの出来事です。
その方は青森市の会社の女性の社長さんで、旅行や食べ歩きがご趣味で、話題が尽きなく、久しぶりにお会いするのをとても楽しにしておりました。

約束した時間に到着すると早速明るく出迎えてくださり、ご挨拶もそこそこに、少し雑談をしていたんですが

「これ、どうぞ。『お福分け』です。」

と、お菓子を詰めた封筒を私に差し出しました。

社員が出張先から買って来たお土産がすごく美味しかったから少しだけど、と。封筒にも『お福分け』と書いてありました。

「お福分け?ですか?」

馴染みない言葉だったので訊くと、お客さまは

「普通『お裾分け』って言うけど、どうなんだろうと思って意味を調べてみたら、『お裾分け』は相手に対して下の方を指す意味で失礼とも取れる言葉なんですって。じゃあ何か代わりにいい言葉があるか調べたら『お福分け』って出てきたの!いい言葉だなと思って早速使ってみたの!」

と笑顔でお話ししてくださいました。

「へ~!初めて聞きました!素敵な言葉ですね!」と、感動からのその後20~30分ほどお話ししたのですが、こういうお話や気配りが出来る方ってさすがだなぁという気持ちと感謝の気持ちでいっぱいになりながらご挨拶も済ませ、その場を後にしました。

そして、お裾分け、お福分けについて私も後から調べてみました。

『お裾分け』
他人から貰った物や利益を さらに他に分けること。
由来は、裾は着物の裾のことで、着物の一番下のヘリのこと。

『お福分け』
よそから貰った物を他に分けるという意味。

意味は、『お裾分け』と同じでも、「福を分ける」というめでたい響きの言葉なので、目上の人にも失礼にならずに使える言葉とのこと。

『お裾分け』は普段からよく使う言葉なので、「お裾分けです」と言って物を分けても失礼だと感じる人はあまりいないのかもしれませんが、言葉の意味を改めて考えてみると、使い方に気をつけたいですね。

お客さまの「お裾分けという言葉がどうなんだろう?」という感性、見習いたいです。

お客さまに素敵な言葉と心遣いを教えていただいた、感謝と幸せを感じた出来事でした。

2021.12.27 北九州支店 築舘 真奈美

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