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vol.775 公的年金ストーリー

とある年金事務所の窓口。

64歳のまだまだ現役の男性で、見た目も若くいかにもエリートな感じです。

「会社からいらないよって言われるまで働こうと思っています(笑)。65歳からの年金ってどんな感じですか?」と言ったあと、男性は現在の月収を告げます。

     (なかなかもらってますな・・・)

不愛想な窓口担当があっさりと、が正確に金額を伝えます。

「そんなに減らされるの???60%ぐらいですよね~。っていうか信じられないんですけど」と男性。

     (しょうがないでしょ、きゅうりょうたかいんだから・・・)

「じゃあさぁ、どれぐらい給料減らせば年金満額もらえるの?」とさらに男性。

不愛想な窓口担当が、笑顔はないもののきっぱりと現実を伝えます。

「年間100万円以上のマイナスなわけ?だったら給料減らさずに働いて稼ぐ方がいいじゃない」とため息まじりの男性。

はじめて笑顔になる窓口担当。給料が極端に減らないことを条件に付けくわえます。

男性はうつむきながらしばらく考えたのち、意を決したように言います。

「70歳まで働くつもりなので、繰り下げしたら年金いくら増えます?」

まだまだ笑顔の窓口担当。42%ですと何故かはしゃぐ窓口担当、が計算は正確です。

「基礎年金は42%増えてるけど、厚生年金分は42%増えてないよね???」といたって真剣な男性。

     (こまかいひとだな・・・)

不愛想に戻った窓口担当。静かに、がしっかりと目を見て年金額を伝えます。

「参ったなぁ、厚生年金の増額対象は在職老齢年金で支給停止が掛からない部分だけなんだ。」となかばあきれ顔の男性。

     (すいません、これがげんじつです・・・)

男性は、今度は宙を見上げながらしばらく考えたのち、笑みを浮かべながら言いました。

「これからも頑張って働きますわ。有難うございました!」

     (わたしもはたらきますよ。でもなにしてはたらこうかな・・・)

『繰り下げ受給に関して』

1.基礎年金と厚生年金は別々に繰り下げることができる。

2.繰り下げは65歳時点で決めなくてもよい(退職時でよい)

3.受給する際、その時点からの繰り下げ受給か、65歳までさかのぼって受給するか選べる。

2022.04.06 宇都宮支店 皆川 文宏

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