漫才師の島田洋七さんは、小学2年生の運動会の日、家が貧しく、ご飯と梅干し、紅しょうがだけの質素な弁当を食べていました。

そこに担任の先生が来て、こう言ったといいます。「何だかお腹の調子が悪いから、よかったら先生のと交換してくれないか」先生の弁当はとても豪華で、島田さんは喜んで食べました。

次の年も、その次の年の運動会にも先生は同じことを言い、弁当を交換したそうです。子供だった島田さんが先生の意図に気づくのは、6年生になってからでした。

「人に気づかれないように親切にするのが本当の優しさ」島田さんの祖母がいつも言っていたといいます。その意味がよくわかった出来事だったと回想しています。

私達の生活の中で、さりげない優しさに気づかないことも多くあると思います。知らないうちに受けた多くの優しさに感謝し、自分も誰かに優しさを返していきたいものですね。